俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~


「それじゃあ、行ってくる」
「あ、はい……! いってらっしゃい」

顔を真っ赤にしながらなんとかそう言うと、和樹さんは私の作ったお弁当を持って出ていった。

び、びっくりした……。
今のはわざとかな。それとも偶然ふれただけ……?

玄関でひとり、和樹さんの唇がふれた首筋をそっとなぞってみる。

柔らかくて温かい感触。
心臓が、破裂しそうなくらいドキドキしていた。

「どうしよう、早く嫌われないと……」

そうつぶやいた自分の声は、今にも泣きそうだった。

早く嫌われて愛想をつかされて離婚しないと。

このままじゃ、和樹さんのことをどんどん好きになってしまう。
この結婚に、恋愛感情なんて必要ないのに。





< 160 / 247 >

この作品をシェア

pagetop