俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「それじゃあ、行ってくる」
「あ、はい……! いってらっしゃい」
顔を真っ赤にしながらなんとかそう言うと、和樹さんは私の作ったお弁当を持って出ていった。
び、びっくりした……。
今のはわざとかな。それとも偶然ふれただけ……?
玄関でひとり、和樹さんの唇がふれた首筋をそっとなぞってみる。
柔らかくて温かい感触。
心臓が、破裂しそうなくらいドキドキしていた。
「どうしよう、早く嫌われないと……」
そうつぶやいた自分の声は、今にも泣きそうだった。
早く嫌われて愛想をつかされて離婚しないと。
このままじゃ、和樹さんのことをどんどん好きになってしまう。
この結婚に、恋愛感情なんて必要ないのに。