俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
和樹さんは半年前までアジアを拠点に働いていたし、きっと重要なお得意様がいるんだろう。
「そうですか……」
和樹さんの言葉にうなずきながら少しさみしくなる。
せっかく気持ちが通じ合ったのに一緒にいられないんだな。
私が眉を下げると、和樹さんが長身を屈めこちらを覗き込んだ。
「本当に悪い」
和樹さんの真剣な表情は私への気遣いで満ちていて、さみしいと感じていた気持ちが温かくなる。
「いえ、お仕事頑張ってください」
私がそう言って笑顔を向けると、なぜか和樹さんはふてくされた表情になった。
「あー……。行きたくない」
「なにを言ってるんですか」
「やっと鈴花が俺のものになったのに」
不満たっぷりな口調に、思わず小さく笑う。
「私はもともと和樹さんのものですよ。夫婦なんですから」
私がそう言うと、和樹さんはいじけたように私を睨んだ。