俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~

不満たっぷりの表情で立ち上がり、襖を開きスマホの振動音が響く居間の方へと歩いていく。
私はひとり布団の上で心臓を押さえ深呼吸をくりかえした。

ド、ドキドキした……! 
あのまま流されて抱かれてしまうかと思った!

うるさいくらい脈打つ鼓動をなんとか落ち着かせつつ、襖の向こうにいる和樹さんの声に耳をすませる。

漏れ聞こえてくる会話から、電話は秘書の穂積さんからだとわかった。
どうやら仕事でなにかトラブルがあったようだ。

しばらく押し問答があった後、電話を切る気配がした。

トラブルは大丈夫なのかなと思っていると、和樹さんがものすごい仏頂面でこちらに戻ってくる。

わ! なんだその不機嫌そうな表情は。
と驚いていると、和樹さんは長いため息をついてから口を開いた。

「悪い。香港から急に客が来て出迎えないといけなくなった」
「え? これからですか?」
「ここから直接空港に向かって、穂積と落ち合う」

そういえば以前も急な出張で香港に行ったことがあったっけ。


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