俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「あなたが今まで香港で築いてきたものが、全て無駄になるのよ?」
「俺は鈴花を幸せにすると誓った。どんなことがあっても、その誓いを破るつもりはない」
「……信じられない。あなたが、仕事よりも妻を取るの?」
「もちろん」
迷いなくうなずくと、美蘭は「はぁー」と大きく息を吐き出し長い髪をかきあげた。
「自分で言い出した賭けだけど、こんな見事に負けるとは思わなかったわ。もっとあなたが悩む姿を見せて、スズカを幻滅させるつもりだったのに」
そう言って美蘭は襖で区切られた隣の部屋をみやる。
すると襖が開き、中から鈴花が出してきた。
「和樹さん!」
胸のなかに飛び込むように抱き着いてきた鈴花を受け止める。
そして両手で鈴花の頬を包み、その顔を確認する。
「大丈夫か? 乱暴なことをされて、怪我をしたりしていないか?」
顔に腫れや傷がないのを確認してから、今度は髪に隠れた首筋や肩や腕。
鈴花の体を確かめるように触れていく。