俺の新妻~御曹司の煽られる独占欲~
「だ、大丈夫ですよ」
俺にあちこち触れられてくすぐったそうに身をよじるその姿を見て、ようやくほっとして鈴花の体を抱きしめた。
「よかった……」
自分の胸の中に彼女をとじこめて、そうつぶやく。
美蘭が鈴花を連れ去ったと聞いてから気が気じゃなかった。
ふたりが日野屋にいるとわかった後も、本当に彼女が無事なのか不安で仕方がなかった。
小さな後頭部を片手で包み、ぎゅっと強く抱きしめると鈴花の髪が湿っているのに気が付いた。
わずかに腕を緩め「髪が湿ってる」と鈴花の顔をのぞきこむと、彼女は少し照れくさそうに言う。
「すみません、急いで髪を乾かしたので」
雨も降っていないのになぜ髪が濡れているんだと疑問に思っていると、美蘭がふふんと鼻をならして笑った。