アンドロイドに眼鏡は必要か?
ハーキースは本当に、アンドロイド?

「……見たんですね」

淡々とした声に振り返ると、ハーキースが冷ややかな目で培養槽の中のヴァレット博士を見ていた。

「あの、その、……」

ばくばくと心臓の音がうるさい。
喉はからからに渇き、つばを飲み込むごくりという音が大きく響いた。

「まあ、あなたに見て欲しかったのもありますが」

「え?」

皮肉るように頬を歪めて笑い、つかつかと中に入ってきたハーキースは培養槽のヴァレット博士と対峙するようにその前に立った。

「僕は博士のコピーです。
この身体も、記憶も、性格も」

「そんな……ありえない」

「ありえなくないでしょう?
あなたはそれを、研究していた。
それに、試作品とはいえ、目の前に僕は立っている」
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