それでも君を
「呼吸整えよう。ゆっくり深くね」



颯くんがベッド脇に腰掛け背中を擦ってくれる。



「見ちゃうとダメなんじゃないですか?」



真ちゃんがどうしたものかと考えながら発言する。



「でも、見ないと、誰にされてるかわかんなくて…怖い、かも」



か細い声で、それでも自分の意見を述べる。



「梨央に針を刺そうとしてるのが、俺らだってことが認識できれば大丈夫ってことか?」



「うーん、わかんない…」



「だよな…もう一回チャレンジしてみるしかないな」



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