それでも君を
『青城先生、すみません。梨央と連絡が取れなくて…もう診察室に来てますか?』
電話越しに聞こえる水沢の声は、焦りというよりは、どこか痛みを堪えるような静かなトーンだった。
「いや、来ていない。着信拒否か?」
『いえ、呼出音は鳴るんですけど、出なくて。…外来はもう終わってるそうで、病棟にもいないみたいです。病院の敷地内にはいるとは思うんですけど…』
「……そうか」
やっぱりか、と思った。
ここ最近の梨央の限界は、主治医である俺の目から見ても明らかだった。
金曜ごとの点滴、重くなっていく副作用、月曜になっても戻らない顔色。
“颯くんの方針に従う”と決めた手前、必死に強がって耐えていたのを、俺も水沢もずっと見てきた。
電話越しに聞こえる水沢の声は、焦りというよりは、どこか痛みを堪えるような静かなトーンだった。
「いや、来ていない。着信拒否か?」
『いえ、呼出音は鳴るんですけど、出なくて。…外来はもう終わってるそうで、病棟にもいないみたいです。病院の敷地内にはいるとは思うんですけど…』
「……そうか」
やっぱりか、と思った。
ここ最近の梨央の限界は、主治医である俺の目から見ても明らかだった。
金曜ごとの点滴、重くなっていく副作用、月曜になっても戻らない顔色。
“颯くんの方針に従う”と決めた手前、必死に強がって耐えていたのを、俺も水沢もずっと見てきた。