世界で一番、不器用な君へ
「それに、あんな風にキレる蓮を見たのも初めてだったから」
「…え?」
「見えなかったか?すごい顔してたぞ、あいつ」
いつも、ふざけた調子で私をからかう。
でも、さっきは堂々と、守ってくれた。
…本気で、怒ってくれたの?
教室のなかをぐるっと見渡す。
アイツの姿は、もうなくて。
「っ…先輩、私行きます!ありがとうございました!」
そう言って、私は急いで教室を出た。
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