クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

そう言った朝陽から逃げられず、あろう事かキッチンで服を着たまま、淫らに抱かれてしまった。

「服着たままキッチンでなんて…(恥ずかし過ぎて、絶対思い出す)もう、絶対しないから」

「なら、今度はお風呂でしような」

半泣きの私の頬にチュッとキスした朝陽は、ご機嫌に恐ろしい事を言って離れていった。

心の中で、絶対阻止を誓う私だった。

翌日から、朝陽は公表はしないものの、今までの反動なのか、人の目も気にせずにスキンシップが増えて行った。

そうなると、真っ先に聞きにくるのは絵梨花で、社員食堂のランチに誘われて顔を突き合わせて『どういうこと?付き合ってるの?』と小声でウキウキしている。

『なんで社員食堂?』

『隠す気はないんでしょ⁈』

『まぁ…聞かれたら答えようかなって…』

『みんな聞きたがってるみたいだし、勝手に聞き見立ててる人が広めるから、手間が省けていいでしょ』

『そうだけど…』

隣でカチャンとトレーを置く2つの音の後、お互いの横に座ったスーツ男子に、2人でうん?と横を向いたら、私の隣には、頬杖を突いて私の髪を弄る朝陽がいて、絵梨花の隣には渡部さんがいた。

「渡部の彼女だっけ?」

「狩野です」
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