クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

梶岡さんに誘われて、なぜか、朝陽と私の3人で居酒屋にいるのだが、噂で、社員食堂の一部始終を尾ひれ付きで聞いた梶岡さんは、相手が悪かったなと、あちこちで慰められ失恋扱いされたと苦笑している。

「で、俺たちを誘った訳は?」

早くふたりきりになりたいオーラがダダ漏れの朝陽は、だらだらと前置きはいらないとばかりに、梶岡さんの話の腰を折った。

「俺の話終わってないけど…」

「どうでもいい話を聞くより、一秒でも早く莉子と2人きりになりたいんだが!」

梶岡さんの目も気にしない朝陽は、私の手を握り帰る気満々でいる。

「溺愛もほどほどにしないと、振られるぞ」

呆れた様子で、ビールグラスを口をつけていた。

「人の心配するなんて、余裕だな。まぁ、お前の入る隙なんてないけどな」

「ほんと、お前変わったよな。莉子ちゃん限定だろうけど、女なんて、物扱いだった奴がね…こうなるなんてね…莉子ちゃん、大変な奴に捕まっちゃったね」

「ものあつかい?…」

「チッ!それ以上余計な事言うなら…」

「うわっ、ごめん、ごめん。つい口が」

朝陽の凄みのある睨みに、謝りながらもヘラっとしておちゃらけてる。

「その口、喋れないようにしてやってもいいんだぞ」
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