クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

「いちゃつくのは家でしろ」

「えー、散々俺の前でいちゃついてたくせに、酷くない⁈」

「お前の前だからじゃない。お前が勝手に前で見ていただけだ」

「莉子ちゃん、こんな奴でいいの?別れるなら手伝うよ」

…苦笑いしかでない。

「ゆうくん、桃寺さん困ってるよ」

「冗談だからね、ほら、向井も怒るなって」

朝陽のグラスにビールを注ぐ梶岡さんは、その後、砂羽さんのグラスにも注いであげていた。

「で、隠してたくせに、俺たちにばらした目的は?」

「目的なんてないよ。ほら、俺たちのカモフラージュに、莉子ちゃんには迷惑かけたから、お詫びも兼ねて食事に誘って2人には言おうって、砂羽が言うから…」

砂羽さんが言わなかったら、謝るつもりもなかったんですね。

「ゆうくん、そんな言い方失礼だよ。桃寺さんには、嫌な思いさせて本当にごめんなさい」

砂羽さんに怒られ、朝陽からの刺すような視線に梶岡さんは、おとなしく口を閉ざした。

「いえ、砂羽さんが私に何かした訳じゃないので謝らないでください」

「でも、桃寺さんが嫌な思いしたのは、ゆうくんのせいだし、それを止めれなかった私も同罪なの」
< 108 / 111 >

この作品をシェア

pagetop