クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「こいつが余計なことするから、周りの奴らが騒ぎ出したんだ…」
「それは、私を思ってなの。せめないであげて…」
「砂羽を守る為なら、俺は道化になるって決めたんだ」
「道化ねー。だからって莉子を巻き込んだ理由は許せないけど」
朝陽の冷ややかな声に、梶岡さんはバツが悪そうに目尻辺りを人差し指でかいていた。
「桃寺さんには本当に申し訳ないと思ってるの。謝ったからって許してもらおうと思ってる訳じゃなくて、巻き込んでしまった理由は話すべきだと思ったからなのよ」
「その理由ってなんですか?」
隣の朝陽は不機嫌そうに、グラスのビールを一気に飲んで大きな音を立て置いた。
聞く必要ないだろうっという表情の朝陽を無視して、砂羽さんを見た。
「…小野寺さんからゆうくんが好きって話を聞いた時、私達付き合ったばかりだったの。それで小野寺さんの性格を考えたら、ずっと言えなかったわ。でも、好きな人がいたら自然と目がいくでしょ。それを彼女勘違いして、私が、ゆうくんの横にいる向井さんを好きだと勘違いしてしまって、そのまま勘違いにしてた方がいいと思ってたの。でも、あの日のコンパの帰り、一緒に帰った所を見られちゃって…方向が同じってごまかしたんだけど、怪しんでて」