クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「それで、砂羽に害がおよばないよう焦ってたら、小野寺さんに告られて、咄嗟に莉子ちゃんに彼氏がいるって話を思い出したんだ。前に小野寺さんに立ち向かった強者だし、叶わない恋を演じる相手に丁度良い…」
「なにが丁度いいだ…そんな浅知恵だから、いつまでも俺に勝てないんだよ」
辛辣な朝陽の言葉をうけて、梶岡さんの頬がひきつっていたが、何か思い出したらしくニヤッと笑う。
「相手が向井って知ってたら、別の方法考えたんだけど、物置部屋に入っていく2人の姿を見るまで知らなかったんだから、許してくれる?」
「えっ…え…」
私の顔が真っ赤になっていく真横でチッと舌打ちする朝陽。
「俺たちも、あそこよく使うんだ」
ニヤニヤする梶岡さんの横で、砂羽さんが真っ赤になっていく。
「何思い出したの?」
真っ赤な顔の砂羽さんを揶揄う梶岡さんを、砂羽さんは睨んでいるがそれさえも可愛くて仕方ないという表情の梶岡さんだった。
「莉子ちゃんも顔赤いけど、向井に何かされたんだ」
うっ…思い出してしまい、恥ずかしい。
突然、私の視界に朝陽のシャツが…
『そういう顔、俺以外の奴が見るの面白くないんだけど』
ぼそっと呟いた朝陽の腕に抱かれていた。
「で、お前達の話は終わったのか?」