残り香
心の中は不安でいっぱいになって、いますぐ会社を飛び出して柴崎さんの家まで行きたくなった。
何度かけても出ない電話を諦めてデスクに戻る。
ずっと柴崎さんの携帯を鳴らし続けていたくせに、連絡が入っていないか期待した。
でもそんな期待は無駄なだけだった。
不安に押しつぶされそうになりながら仕事をする。
お昼過ぎ、一本の電話に出た男性社員が真っ青な顔で立ち上がった。
「柴崎さん、死んだって。
今朝、交通事故で」
夜なのに電気がついていないみたいに私の周りだけ真っ暗になった。
……柴崎さんが死んだとか、嘘。
指先が冷たい。
前が見えない。
声が出ない。
……だって昨日も「気をつけて帰れよ」って笑っていた。
嘘だって叫びたかった。
そうじゃないと、心が壊れそうだった。
何度かけても出ない電話を諦めてデスクに戻る。
ずっと柴崎さんの携帯を鳴らし続けていたくせに、連絡が入っていないか期待した。
でもそんな期待は無駄なだけだった。
不安に押しつぶされそうになりながら仕事をする。
お昼過ぎ、一本の電話に出た男性社員が真っ青な顔で立ち上がった。
「柴崎さん、死んだって。
今朝、交通事故で」
夜なのに電気がついていないみたいに私の周りだけ真っ暗になった。
……柴崎さんが死んだとか、嘘。
指先が冷たい。
前が見えない。
声が出ない。
……だって昨日も「気をつけて帰れよ」って笑っていた。
嘘だって叫びたかった。
そうじゃないと、心が壊れそうだった。