嘘つきは眼鏡のはじまり
そうだよね、双子でもこんなに似ているはずがない。
服装と眼鏡で変えた雰囲気で、誤魔化されていた。

「私なんかからかって、おもしろかったですか」

「……違う」

「双子の兄とか莫迦正直に信じてた私は、さぞかし滑稽だったでしょうね」

「……違う」

「それとも会社で根暗な私が、違う性格を演じてておかしかったですか」

「……違う」

「違わない!
あなたは、ただ……」

落ちそうになった涙に部屋を飛び出る。
そのまま走ってトイレの個室に入り鍵をかけると、背中がドアをずるずると滑り落ちた。

「莫迦だ、私は……」

涙がぼろぼろとこぼれ落ちる。
口からは嗚咽が漏れる。
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