嘘つきは眼鏡のはじまり
「ごめん。
……とりあえずどっか入らない?
寒くてたまらない」

「ちょっ、まっ」

強引に私の手をつかみ、歩きだした星名さんの手は、氷のように冷たかった。


休日のクリスマスイブだからどこも多くて、少し待って入ったカフェ。
私の前にはミルクティ。
星名さんの前にはカフェラテ、砂糖ふたつ入り。

「ブラックじゃないんですね」

「……無理してたの、わかってるよね」

皮肉たっぷりに笑ってやると、星名さんの背中が少し小さくなった。

「これ飲んだら帰りますから」

一口だけ飲んでカップを置く。
星名さんは両手を暖めるようにカップを持ってカフェラテを啜りながら、なかなか口を開かない。
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