夢物語
 「あ、スタメン発表になったよ」


 西本くんがスマホで、今日のスタメン発表を確認していた。


 「FW、中澤……」


 その言葉を聞いて、内心安堵。


 最近外国人ストライカーも強力で、ベテランの中澤のポジションは確約されているわけではないから。


 「冴香さんはほんと、中澤が好きなんだね」


 私がほっとしたのを見て取ったようで、西本くんが告げた。


 「そりゃあ……ね。FC北海道暗黒時代からずっと、チームを支えてきてくれたのは中澤だし」


 「それにイケメンだしね」


 言われる通り中澤は、西本くんとは違ったタイプだけど……イケメン。


 「イケメンなのはあくまで結果論であって、それだけで好きになったわけじゃないし」


 それは西本くんに対しても言える。


 決して顔だけで好きになったのではなくて、長い間の交流の結果というか、そばにいたいと思える何かが他にたくさん存在したからで……。


 「あ、今日のプログラムの表紙、中澤だった」


 話題を逸らすために、入場時に来場者全員に配布されているプログラムの表紙を見たら、中澤だった。


 毎回違う選手が表紙を飾るのだけど、タイミングよく今回は中澤。
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