異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
「約束する。ずっと一緒にいる!……だから、心配しないで欲しい」

そう言いながら、ぐいぐいと締め付けられ私は……酸欠になりかけている。
全く、加減てものを知らないな。
そこが可愛かったりもするんだけどー、早くなんとかしないと、これ死ぬな。

「て、提督さん……わかり……ました……」

「そうか………あ、すまない。また、抱き締めすぎたな……可愛くて、つい……」

締め付けていた腕を離し、提督さんはベッドの脇に腰掛け、ついでに私もその横に座らされた。

「で、話は戻るんだが……あ、あのな……今日はデートをしよう」

提督さんは、言い終わると恥ずかしそうに俯いた。

「デートですか……あの、それはデートですよね?」

うわ、なんか変な質問しちゃった。
というのも、この世界のデートと私の世界のデート、同じかどうかわからなかったから。

「デート……お互いに想い合っている男女(若しくは同性でも)が、出掛ける様、またはその様子」

提督さん、国語辞典のように言ったね。
とは言え、認識は同じらしい。
デート……か。ふぅん。

「……甘いお菓子も付きますか??」

と、小悪魔的に尋ねてみれば、

「もちろんだ!!お菓子も食事も……いろいろ込みだっ!!」

と、すぐさま答えが帰ってきた。

「行きます!提督さんとデート!やったー!!」

間髪入れず叫ぶ私の隣では、耳まで赤くした提督さんが嬉しそうにそれを眺めていた……らしいけど、そんなことはご飯とお菓子で頭が一杯な私には大したことでもなかった。
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