人間消去アプリ
すずねの背中を追うように、家の中へと入っていく。


玄関でローファーを脱ぎ、すずねが歩く方向に歩く。


「あっ、あった!」


そんな声が聞こえてきたのは、私が家の中に入ってから数十秒後だった。


「ねぇ理央、お金、ここにあるよ!」


すずねが振り向き、私に手招きしてくる。


もう片方の手で、なにかを指さしている。


そのなにかというのは、山積みになったジュラルミンケース。


「いや、ジュラルミンケースがあるからって、お金が入ってるわけじゃないよ」


自分に言い聞かせるように手を横に振る。


お金持ちの人が、こんな簡単なところにお金を置くわけがない。
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