どんなに遠く離れていても
その日改めて告白をされた。
けど、自分だけが話をしないでそのまま付き合うのは純粋で素直な裕輔を傷つけてしまいそうで怖かった。
だましているみたいで嫌だな。
そう思った。
だから一度考えさせて欲しいと電話越しで伝えた。
裕輔はわかったと言ってくれて、電話を切った。
裕輔と出会い、話していくうちに裕輔の優しさにいつの間にか甘えていた自分がいた。
それを好きという感情と呼べるのかまだわからなかった。
けど、裕輔の必死さに心が揺れていたのは確かだった。
だから…。例え話をしてみた。
裕輔だったら本当の私を知ったらどう答えてくれるのだろう…。
この人にだったら話しできるかなって。
でもその話をするのにはすごい勇気が必要だった。
「ねぇー。」
『ん?どうした?』
「もし、もしだよ??うちが17歳だったらどうする…?」
『え?』
「もし、私が家出少女だったらどうする…?」
『そん時は俺んとこ来て、俺と一緒に住めば良い!!』
「もし…家出している途中に声かけられて、その人の家に住まわせて貰っている代わりに身体を売らされていたらどうする…??」
『もしそうだとしたら俺が全力でやめさす!!』
その真剣な裕輔の言葉に私は崩れた…。
1ヶ月間偽り続けていた自分が…。
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