どんなに遠く離れていても
いきなり裕輔が立ち上がった。そして…。
『よし!!ほな、婚姻届取りに行くで!!』
「へ!?何ゆーとんの。ま??」
いつも裕輔は唐突だった。
『嘘でこんな事言わんわ!!はよ、準備しー!』
「ねぇ、婚姻届ってただの紙きれじゃないんだよ?そんな軽く良いの??」
もう私の頭は混乱状態。
『知っとるわ!持っておけばそれに向かって頑張れるやろ?』
そう言うと私の手を握って本当に中川区役所の夜間受付に2人で取りに行った。
家に戻ってくると裕輔は自分の分の所を全て書いて…。
判子を押した。
『はい、これお守りな』って。
『美琴が18になったら一緒に出しに行こうな!』
婚姻届を折り畳むと私の財布に入れた裕輔は。。
どことなく嬉しそうだった。
出会って一週間。
急展開すぎて頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。
それでも受け入れた私は彼の好意に甘えていたのかもしれない。
家の中で私達はたくさん2ショットを撮った。
Facebookに2ショット写真と婚姻届をぼかして。
投稿していた。色々な人が祝福してくれて嬉しかった。
もう彼が居るだけで心強かった。
いつの間にか彼は私にとって大きな存在になっていた。
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