どんなに遠く離れていても
家に帰りたくない状況の中、帰らなければならないという現実。
ずっと裕輔の所に居たかった。
でも私は今やらなくてはならない事がたくさんあった。
自分はまだ高校生で親の元に戻らなければならない。
17歳というと未成年だから親の保護下にいないといけない。
だから私達は何もできずにいた。
そして、私の両親はもし帰らないなら裕輔の事を警察に言っちゃえば誘拐罪で捕まるとまで言ってきた。
『俺は別に良いっすよ。』
そんな事をあっけらかんと言う裕輔。
好きな人が私のせいで捕まってしまうのは嫌だった。
朝の4時。家に帰る事になった私に。
仕事休みの日は会いに行くね。
毎日手紙書くからね。毎日電話するから。
そう約束をしてくれた。
祐輔の家に私の荷物を取りに行った。
祐輔は離れている間でも思い出せるようにと。
パーカーと指輪、傘、そして合い鍵を渡してくれた。
朝方、私は両親と自分の家に帰った。
車の中で裕輔のパーカーを持ちながら爆睡していた。
たった2日間だけだったけど裕輔といれて幸せだった。
お昼近くに家に着き久し振りに自分の家。
手術し終えたばかりのラブは…。
私を見るなり…。
脚を引きずりながらも小屋から出て来て私の元に来た。
そして手をぺろぺろと舐めた。
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