クールなイケメンドクターに拾われましたが溺愛されるなんて聞いてません!
冷蔵庫の横の棚に八つ切りの食パンが置いてあるのを見つけて、サンドイッチを作ろうと考えた。
食パンを4枚と、冷蔵庫のなかから卵、ベーコン、レタス、ミニトマトを取り出した。
IHクッキングヒーターの下側の引き出しをのぞき、ひとまずフライパンを発見する。
まな板、包丁、さえ箸、お皿等を探すためまるで泥棒みたいにたくさんの棚を開け閉めした。
洗って水気を切ったレタス、焼いたベーコン、塩コショウで味付けをした半熟の目玉焼きをトースターで焼き色のついた食パンにはさみ、それを半分に切ってお皿に盛り付け、ミニトマトを隣に添えた。
「栂野さん、できました……」
炒め物や煮物ではないため味は問題ないとは思うけれど、自信なさげに仕上がった二皿をダイニングテーブルへと持っていく。
「美味そうだな」
栂野さんはソファからテーブルとセットのアームレスチェアに移動した。
立ち上がった姿に、やっぱり背が高いなと思わず盗み見た。
「コーヒー……また飲まれますか?」
「ああ、ブラックでたのむ。お前も好きなものを飲め。お茶ぐらいしかなかったと思うが」
「わかりました。ありがとうございます……っ」
ソファの前のローテーブルに置きっぱなしの空のマグカップにインスタントのホットコーヒーと、自分用のウーロン茶をグラスに注ぎ、栂野さんの向かいのチェアに静かに腰かけた。