アブナイ王子様たち
でもね、今言ったことは事実だから。


翔さんの性格が悪くて、嫌なことばかりしてくること。


私、自分の目で見たんだから。


実際にされたからわかるよ。


心の中でそうつぶやきながら、翔さんをじーっと見つめる。


まだ呆然としていて、放心状態だ。


これは、翔さんから逃げられるチャンスかも!


グッと握り拳を作り、翔さんに背を向けて走りだした。


大学生の人たちがなにかしゃべっているのが見えるが、なにを言っているのかわからない。


と、とにかく、別荘に帰ろう!


悟さんが心配しているかもしれないし。


悟さんに心配をかけるわけにはいかない。


私のプライドが許さないのだ。


大学生の人たちをかきわけ、出入口に向かう。


しかし……。
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