アブナイ王子様たち
「あっ、君……!」


聞き覚えのある声が聞こえて、腕を軽く引っ張られた。


おそるおそる振り返ると、そこにいるのは……。


「あ、あなたは……!」


この人、ミスコンに出てみないかと、私を誘ってきた人だ!


メガネをかけており、背が高いので、すぐにミスコンに出ないかと誘った人だとわかった。


この人……翔さんと同じ大学の人なんだ。


文化祭会場内にいるし、翔さんと同じ大学に通ってる人じゃないかなとは思ったけど……。


「あっ、覚えてる?


僕、ここの大学のミスコンの実行委員なんだ」


もちろん覚えていますとも。


ていうか、さっき会ったばかりだから、忘れるわけないよ。


「そ、そうなんですか……」


「ねぇ、君に聞きたいことがあるんだけど」


ドキッ!


ま、まさか、また『ミスコンに出る気はないか』って言うんじゃ……!
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