アブナイ王子様たち

心の中に潜んでいる不安が膨らんでいく。


その気持ちが言葉として出てくるのに、時間はかからなかった。


「さ、悟さん」


「ん、なに？」


「だいたいの人は、好きな人に付き合ってる人がいたらあきらめるでしょうけど、例外の人だっていますよね？


その場合はどうすれば……」


顔が熱いままだけど、気にしない。


今は、顔が熱いことに意識をかたむけている場合じゃないから。


心の中の自分にそう言い聞かせる。


今は、ストーカーを撃退するための方法を話し合っているのだから。


そう思っていると、悟さんが笑顔でこう答えた。


「それは大丈夫だよ」


大丈夫？


例外の人のための策があるのかな。


頼りになるような、いい策が……。


「たぶん、愛海ちゃんを好きでいるその男は、彼氏がいると思うだけであきらめると思うよ」