アブナイ王子様たち
なにも言わずにムスッとする私に、翔さんがふっと笑う。


「……あんた、可愛いとこあるんだな。


俺の言葉に、いちいち顔赤くするし」


それは、相手が翔さんだからだよ。


翔さんにいじられるだけで、胸がドキドキするんだから。


「か、可愛いって言わないでくださいよ!」


「ふっ、照れてんだ?


顔、真っ赤にしちゃって。


本当、おもしろい女だな」


おもしろい女……。


それ、どういう意味だろう。


なんて考えていると、悟さんが呆然とした様子で私を見た。


「あれ?


愛海ちゃん、顔赤くしちゃって、どうしたの?」


はっ!


「な、なんでもないです!」


両手を顔の前で振り、なにごともなかったように装う。


「悟さんの作った朝ご飯、いただきますね!」


薫くんと匠くんがこちらを見ていることに気づかないフリをして、朝ご飯を食べはじめた。
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