アブナイ王子様たち
自分の頭を殴りたくなるが、なんとかその衝動をおさえる。


すると、近くからクスクス笑う声が聞こえた。


誰?


あたりをキョロキョロと見まわし、笑い声の主を探す。


笑い声の主が見つかったのは、探しはじめてから数秒後だった。


この言葉が聞こえたから。


「あんた、バカじゃねぇの?


兄貴が、朝ご飯を置きに、こっちに向かってたこと、全然気づいてなかったし」


ムカッ!


この意地悪な口調は……。


「し、翔さん!


朝からバカにしないでください!」


もう……。


翔さんってば、すぐ意地悪なこと言うんだから。


でも、その意地悪な言葉にドキドキしている自分がいる。


なんか悔しい。


意地悪なことばっかり言う翔さんに、ドキドキしてるなんて。
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