アブナイ王子様たち
悟さん、ありがとう。


悟さんが来なかったら、今ごろ、叔母さんの家でくつろいでいたよ。


ストーカーのことをすっかり忘れてたから、来てくれて助かったよ。


「悟さん」


「なに?」


「……ありがとうございます」


小さく頭をさげると、悟さんが、目を見開いて驚いた。


「……へ?


な、なにが?」


「私のことを心配してくれて、ありがとうございます。


悟さんって、警戒心の薄い人だと思ってましたけど、正義感が強い人なんですね」


悟さんがいてくれて、本当によかった。


悟さんの存在は、今の私にとって、なくてはならない存在。


自分ひとりでは生きていけないという言葉を聞いたことがあるが、まさにそうだ。


人間は、誰かの支えがないと生きていけない。
< 536 / 642 >

この作品をシェア

pagetop