アブナイ王子様たち
「……あぁ。


この女に気味の悪い手紙を送りつけるストーカーを追い払うために、この女と一緒にショッピングモールに行った」


なんでだろう。


そう答える翔さんの口調が少し嬉しそうなのは。


私とふたりで出かけたことが嬉しかったのかな。


って、そんなこと考えてる場合じゃない。


頭を抱え、髪をかきむしる。


うつむいて座っていたので、髪がカーテンの役割をはたしていたが、今はその役割を失った。


どうしよう。


視線がチクチク刺さったままなんだけど。


と思ったそのとき。


スカートのポケットに入れていたスマホが、ぶるぶると震えた。


気になって、スマホを取りだす。


【メッセージが届きました】


メッセージ……?
< 561 / 642 >

この作品をシェア

pagetop