俺はまだ君の名前を知らない
こうして、俺は女との待ち合わせ場所の駅前に居る。
まだ10分前。
一応早めに来た。
『あのー!!お待たせしちゃいました?』
と、女が走ってくる。
『大丈夫です。今来た所なので』
と、返事をする。
『なら良かったでっ!わっ!』
すると、女は転びかけた。
『っと…大丈夫ですか!?』
俺が何とか止めたので転ばずには済んだ。
『あのぉ~…?』
すると、俺達の目の前にもう一人のショートカットで気が強そうな女が現れた。
『うさ子!だから、言ったでしょ!走るの禁止って!』
そう言ってもう一人の女は俺の腕に寄りかかって居た女をちゃんと立たせる。
『貴方がハンカチのナンパの人ですね!うさ子に手を出そう何て考えても無駄ですから!』
『いや、そんな気は…』
全く無いと本心を言おうとすると、
『無いわけ無い!ハンカチ拾うとかうさ子みたいな天然可愛い系女子じゃないとしないくせに!!』
『いや、』
『むさ苦しい男の汗が染みたハンカチでも拾ったの!?』
又遮られた。
恐らくこの人があの姉風の友達(世話係)なのだろう。
『いや『嘘つきがぁ!!』
いや、一回位弁解させてくれ。
『紅夜(くれや)ちゃん!辞めてよ!この人はそんな人じゃないよ!』
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