生まれたときから恋人です?-六花の恋-【完】


「景お兄ちゃんなゆお姉ちゃん、おはようっ」


「羽咲、さっさと支度しろ」


由羽は私たちと同い年同じ学校の高一で、羽咲は二個下の中学二年生。


毎朝、景が私を迎えに来てくれて、それから由羽と羽咲と一緒に登校する。


生まれた時から、私たち四人は一緒にいるのが当たり前だった。


……実を言うと、由羽と羽咲は、私と景から見たら甥と姪にあたる。


兄妹のお母さんが私のお姉ちゃんで、お父さんが景のお兄ちゃん。


そして私と景はお父さん同士が兄弟だから、私と景は従兄妹になる。


由羽は私と景より誕生日が早くて、年上の甥ってやつだ。ややこしい。


複雑な家庭構造だから、学校ではみんないとこで通している。勿論、親友には本当のことを話してあるけど。


「羽咲ちゃーん」


中学校と高校の分かれ道、羽咲の友達が待っていた。

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