生まれたときから恋人です?-六花の恋-【完】


「おはよー!」


「おはよっ。先輩たちも、おはようございます!」


私たちと羽咲は二個違いだから、羽咲たちが一年生の頃、私たちは三年生だったわけだ。


「おはよう。どう? 感じは」


「金賞狙って行きます!」


「よし! みんないいね!」


後輩の頭を、いい子いい子と撫で周る。


私は中学では吹奏楽部で、羽咲の友達の何人かは部活での後輩にもなる。


「じゃーみんな、車とヘンな輩には気を付けてねー。不埒者がいたらすぐに私たちに言うんだよ? 景と由羽が乗り込むから」


『はい!』


ばいばーいと大きく手を振って、羽咲たちと別れる。


「おいなゆ。勝手に巻き込むな」


だるそう――眠そうな顔で文句を言うのは由羽だ。


由羽は、お兄ちゃんの、お姉ちゃん以外の全てにダウナーな部分をほんとによく受け継いじゃっている。


「由羽、後輩が非道い目に遭っても平気でいるの?」


「病院送り、のち警察マスコミ沙汰。社会的に抹殺」


「うわカゲキ。お前ほんと旭兄さんに似てるよなー」

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