桜の木の下で
「おまえ、何してんの?」
「えっ?」

桜の木をボーッと見ながら考えごとをしてた私は、
間抜けな顔をしながら、隣を見た。

「な、何でいるんですか?」
「ここ、家に帰る通り道だし」
「…………」

突然すぎて、言葉が出なかった。

菅田さんだった。
相変わらず、不機嫌そう。
なら何で声かけたの?
疑問に思うけど、わからなかった。

「おまえ、顔が…………」

菅田さんがいきなり笑いはじめた。

「???」

何が起こってるのかわからなかった。

「だから~。表情が変わりすぎなんだよ」

まだ笑ってる。

「わっ、笑いすぎですから」

恥ずかしすぎて、この場から立ち去りたい。
キレ気味に言ってしまった。

「だって、おもしれぇから……」
「そうですか。では私はこれで……」

家の方向に歩き始めた。
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