双星の煌めきは月夜に魅せられて
そして普段よりも低くなった声に、私は何度目かわからない期待をしてしまう。
合コンに行って欲しくないって優生が思ってるんじゃないかって。
本当は私のことが好きなのかなって何度も期待をして、何度も裏切られた。
「じゃあ、俺がなればいいだけだな」
「……は?」
「すまない。月那のことキャンセルしてくれないか?」
「は、はい……っ」と友人が断れないのは、優生があまりにもイケメンだからだ。
ちなみに私は突然すぎて、思考回路が停止している。
俺がなればって……彼氏のこと、だよね?
「いくぞ。月那」
優生が私の手を強く引いて、走り出した。
優生の後ろ姿を、繋がれたた手を交互に見て、やっと現状を把握できた。
あまりの急展開で、夢物語のようで、とても信じられない。
「ね、ねえ!今の、どういうこと!?」
夢でも何でもいい。ただ、優生が言ったことが本当か確認したかった。