双星の煌めきは月夜に魅せられて


無意識だったけど、いつもの私じゃなかったのか。


よし、誰もいなくなったからその隙を狙って朔夜と話そう。



「朔夜、聞こえる?」


『……月那!無事か!?
今桜蘭と一緒に倉庫に向かってる!』


「え……それは意外」



なずなの名前を出したら絶対に助けに来ないと思うんだけど。何しろなずなを裏切り者だと思っているなら尚更。



『俺の妹が拉致られたしか言ってねーから、俺の身元だったら助けてくれるんだろ。とはいえ俺と幹部だけだけどな』



確かにそう言えば助けてくれるわね。


じゃあ、後は朔夜に任せればいいのかな。



「あとどんくらいで着く?」


『もう倉庫の前に着いた。GPSの通りに行けばいいんだろ?』


「うん、後は任せた」



私はフッと笑みを浮かべて、朔夜との会話を一旦終わらせた。



「朔夜くん、来てるの……?」


「うん、まあね」

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