双星の煌めきは月夜に魅せられて
先程まで安心してたのに、それは一転してしまった。
これは早く朔夜達に来てもらわないと!
ぞろぞろやってくる男達となずなの間に、彼女を守るように立ち上がる私。
『月那、無事か?あと1分で着くからな!』
「うん」
私はとりあえず頷いて、男達を見上げた。
後1分ならここで時間稼ぎをして、敵の思うがままにさせないことが重要だ。
隣で怯えるなずなを見て私はやはり普通じゃないんだろうなと自覚する。
頭が良すぎた故、何があっても冷静に対処できるようになり、全部仕方ないで済ませて感情的に行動するなんてほとんどない。
もう知ってしまったんだ、大人のいる理不尽な世界を。
自分が早く大人にならないといけないということを。
「その子には一本も触れないで」
「月那ちゃん……!」
「へえ、君は桜蘭の何なの?
無関係者だったら残念だけど無理だわ」
無関係者?笑わせるんじゃない。
思いっきり関係者だ。
だって、目的は違えど桜蘭を潰したいのは一緒なのだから──