双星の煌めきは月夜に魅せられて


だけど皮肉なものね。



「月那!!」



潰したい相手──憎い相手に助けてもらうなんてね。


キチッと1分でやって来たじゃない、流石は朔夜。


私達に向けられた視線は朔夜達の方に変わった。


なずなは思いがけない人達が現れて信じられないというように、口元を両手で覆って目を大きく開く。



「この人達が……」



朔夜から聞いていた桜蘭の幹部達。


朔夜のすぐ後ろに4人の姿が見えた。



確かに、朔夜に負けないくらい強いオーラを放っている。


これが朔夜の言う"殺気"というものなのか。



「……なずな、朔夜のことを知らないフリして」


「え?」



私はなずなにしか聞こえないくらいの大きさで彼女の耳元でそう言った。


不思議そうな表情をしていたが、私の真剣な表情になずなも真摯に受け止めた。

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