双星の煌めきは月夜に魅せられて
「朔夜くんと光希達がここに……。桜蘭を潰すって話は本当だったの?」
困惑しているなずなに「あたし達にできないことなんてないよ!」と得意げに返した。
"これできっとなずなは大丈夫になるから、安心して私達は外に出よう"
なずなにそう言いたかったが……
「月那ちゃん……」
そうだ、いくら仲間だったとはいえ、なずなを大怪我させたほどの集団だ。
安心できる場所は私と朔夜以外にあるはずもなく、何しろ朔夜がなずなを傷つけた人達と一緒なんだ。
「朔夜くんってあんなに喧嘩強かったんだね……」
震えている声。
先程は震えてなかったが、桜蘭の登場でさらに腕まで震えてしまった。
あの時、なずなはどれ程傷ついたんだろう。
もう彼らが仲間からトラウマに変わった今、どんなに朔夜がいい人だと知っていても、彼女は恐怖でいっぱいなんだろう。
「……許さない」
とりあえず、なずなの身を守ってくれることには感謝するが、憎むことには変わりない。
私はずっとなずなを抱きかかえながら、朔夜以外の人達を鋭く睨みつけた。