双星の煌めきは月夜に魅せられて
「そんな根拠、どこにあるのよ!?なずなを信じるとか信じないとかは後にしても、後悔するのは変わらないんだから!」
「チッ、勝手に言ってろ」
舌打ちした渋谷凛太郎は、もうなずなの顔を見たくないからか踵を返し後ろを向いた。
なずなは今度は嬉しそうに笑っている。
本当、コロコロ表情が変わるんだな……癒される。
「月那ちゃん……大好き!」
「わわ!」
勢いよく飛びついたなずなは、勢いよく私に抱きついてきた。
ふふ、本当に可愛いんだから。
「とりあえず外出よう。騒ぎで警察が来るかもしれないし」
朔夜の一声で、一旦皆で外に出る。
夜風が心地よく、密室空間から放たれた私となずなは大きな深呼吸をした。
「……お前が朔夜の妹か」
腕を伸ばして身体の筋を伸ばしていると、威圧感たっぷりの声が背中に突き刺さる。
たじろぎながらも、後ろを向けばそこには黒髪の総長が私の瞳を真っ直ぐに見つめていた。