双星の煌めきは月夜に魅せられて


「あ、はい……そうですが」



──この人が、桜蘭の総長。


朔夜が綺麗だと言ったのも分かる気がする。


サラサラな黒髪、漆黒の黒い瞳に白い肌。


夜の暗がりで白い肌が際立たせていることから、どこか儚い印象も持つ彼。


見つめられる瞳に吸い込まれそうになりながらも、我に返った私はこくんと頷いた。



「そっくりなんだな。何個差なんだ?」


「あ、あたし双子の妹です!」


「そうか、兄妹にしちゃそっくりだったから納得だ。一卵性か?」


「いえ、二卵性です。男女の双子はほとんど二卵性なんです」


「へえ、物知りなんだな」


何、この質問責め……。


というか、なずながいるのにいないように扱ってるなんて向こうもそんなに根に持ってるのか?



「あなたは、朔夜の友達ですか……?」


「ああ、桜蘭の総長だ。如月 優生という。
隣のヤツから何も聞いていないか?」


「なずなからは桜蘭の姫だったくらいしか……」



あの人はいないの……?


朔夜が言ってたあの人は!

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