双星の煌めきは月夜に魅せられて
「月那に朔夜か……夜にぴったりな名前だな」
「親が夜が好きみたいなので」
それは本当のことだ。
本当の両親との記憶の中で鮮明に覚えている数少ない思い出だ。
「今は月那も朔夜がいた方が安心だろ。悪いが、一旦倉庫に戻るぞ」
「え……?」
朔夜と一緒になって帰るんだとてっきり思ってたけど、まさか倉庫に行けるとは……。
「あの、なずなも一緒ですよね?」
「月那ちゃん、私なら1人で帰れるから!」
「ダメだよ!1人だったらさっきみたいなこと起きちゃうでしょ?」
「そうだな。優生達と何があったかは俺には分からねえけど、ここで1人は危ないと思う」
私と朔夜で頷き合って総長を見れば、やれやれと言ったようにため息をついて
「今回だけだからな。朔夜と月那には感謝しろよ」
「……うん」
なずなのトラウマの人達だ、一緒にいたくないのもよく分かる。
だけど今はなずなの身の安全が第一だ。
桜蘭と一緒にいた方が適している。