双星の煌めきは月夜に魅せられて






「うわ、ひっろ!」


「大きいでしょ?初代総長がお金持ちだったんだ」



桜蘭の倉庫に着いた私達だが、あまりの大きさに私は大声を上げる。


外見からよく分かるし、コンクリート製の床だからこれは倉庫なのは分かるけど、


一軒家よりもはるかに大きい倉庫だとは想定してなかった。


実はネットで懸命に探ってもここの倉庫の見取り図は手に入らず、大きさが分からなかったのだ。



一方のなずなは懐かしさがあるのか、少し微笑みながら辺りを見回す。


少しは怖いの落ち着いたかな……?


なずなは彼らがトラウマになっているが、最初はそうでもなかった。


だって私達に打ち明けた時、桜蘭を良い人だと庇ったからから。もしかしたら今でも同じことを思っているのかもしれない。



そして、ここに入ってしまった以上、私も桜蘭とは無関係とはいえなくなってしまった。


謎に満ちた暴走族の住処に入ったのだから。

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