双星の煌めきは月夜に魅せられて
⁑
☆
「うわ、ひっろ!」
「大きいでしょ?初代総長がお金持ちだったんだ」
桜蘭の倉庫に着いた私達だが、あまりの大きさに私は大声を上げる。
外見からよく分かるし、コンクリート製の床だからこれは倉庫なのは分かるけど、
一軒家よりもはるかに大きい倉庫だとは想定してなかった。
実はネットで懸命に探ってもここの倉庫の見取り図は手に入らず、大きさが分からなかったのだ。
一方のなずなは懐かしさがあるのか、少し微笑みながら辺りを見回す。
少しは怖いの落ち着いたかな……?
なずなは彼らがトラウマになっているが、最初はそうでもなかった。
だって私達に打ち明けた時、桜蘭を良い人だと庇ったからから。もしかしたら今でも同じことを思っているのかもしれない。
そして、ここに入ってしまった以上、私も桜蘭とは無関係とはいえなくなってしまった。
謎に満ちた暴走族の住処に入ったのだから。