【短編】メロンソーダに溺れる
「知ってる?俺のこと、呼び捨てにしてるの、女子で板野だけなの」
『ガキじゃん』と言われたことになんの反論しなかった菅原は、代わりにそんなセリフを吐いた。
『菅原くんって本当になんでもできてかっこいいよね』
菅原くん菅原くん、そうやって誰からも慕われる彼のこと、男の子として気になってる反面、嫉妬している部分もあるんだ。
誰かに気を遣って接してるようにも見えない。
ありのまま、そこにいるだけなのに、みんなが菅原に集まっていく。
みんなとおんなじようにそういう彼を好きになった分、そういう彼が羨ましくて、ムカついている。
「だったらなに……」
ほんと、可愛いくない。
でも、悔しいんだ。
少しでも、他の子とは違っていたい。
ちっぽけな意地だ。
「いや……生意気だなーって」
少し窓の外に目を向けて、こちらに視線を戻してそういった菅原。
『生意気』
そんなムカつくことを言われたのに、不覚にもキュンとしてしまった自分に嫌気がさす。