【短編】メロンソーダに溺れる
「はいはい、わかったからもうほっといてよ。どうせ塾通ったってバカは治らないんだもん。なんでも簡単にこなせちゃう“菅原くん”に、こんなバカの気持ちなんてわかんないんだから」
「……」
嫌われた。
いや、いいんだ嫌われたって。
どうせ、私と菅原なんて住む世界が違うんだから。
菅原とこんな風にしゃべってることなんて、私の人生なかったようなもんだ。
「飲んでいい?」
「は?」
まるで、菅原は、私に言われたことなんて聞こえてなかったみたいに話を変えると、私の目の前にあるメロンソーダを指差した。
「俺のDNA分けてやるよ。俺がこれ飲んで板野がまた飲めば、俺とおんなじように頭良くなるかも」
「バカなんじゃないの」
「え〜バカにバカとか言われたくないんだけど」
塾の教室で見る彼とは違う。
ちょっと悪ガキって感じの顔。
頭いいくせにあんまりのバカ発言に呆れてしまう。