クールな御曹司と愛され新妻契約

なので二重の意味で、恋愛感情が冷泉様にバレてしまったら困るのだ。

お皿洗いを終え、夕食の準備に取り掛かる。
今日は日本酒を飲まれるということだったので、季節の食材を使った和食料理の予定だ。

まずは蕗の御浸しから。蕗の灰汁を取り、柔らかく煮る。茹ですぎに注意をしながら取り出したら冷水で急激に冷やし、さっと作った鰹出汁と共にバットへ入れて冷蔵庫へ。

次はお刺身。カツオの切り身には金串を刺し、皮付きのままガスで表面を炙っていく。
香ばしい香りが立って、焼き色がしっかりついたら氷水に入れ、素早く冷却。

一センチほどの厚さに切り分け、薄くスライスした玉ねぎ、刻んだミョウガと、生姜とニンニクは摩り下ろしてよく合わせたものを一緒に盛り付け、パラパラと小ねぎを振りかけたらカツオのタタキの完成だ。
冷蔵庫でしっかり冷やして、食べる時は特製のつけダレと一緒に。

お味噌汁は鰹出汁をとって、冷泉様がお好きだと言っていたなめ茸とお豆腐に、赤味噌を溶かしてシンプルに。お出しする時には三つ葉を浮かべる。