クールな御曹司と愛され新妻契約
今月中に公的機関に行くにしても、まずは新しい戸籍謄本をもらわなければならない。

本日の予定を組み直して早速準備を整えると、私は自分の会社へ向かうために家を出た。



朝一で午後休を申請し、担当先で午前中の仕事を終えると、渋谷区にある冷泉ビバレッジ本社ビルを訪れる。

受付で冷泉千景の名前を出せば、秘書室から実友さんが迎えに来てくれた。
先ほど帰社したばかりの彼は、現在、社長とミーティング中らしい。

そんな話を伺いながら、実友さんと共に幹部専用の上層階に直通で向かえるエレベーターへ案内され、誰もいない副社長室へ通される。

「もうすぐ帰られると思いますので、どうぞこちらでお待ちください」

今日も栗色の長い髪を夜会巻きにした彼女は、白百合のような佇まいで穏やかに微笑む。
その姿は、パーティーの時の華やかさと変わらず、見惚れてしまうほど美しい。

「すみません。お気遣い痛み入ります」

副社長室に入ってすぐのところにある、応接用のソファに有り難く腰掛けさせてもらう。
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