クールな御曹司と愛され新妻契約
「コーヒーをお持ち致しました。熱いのでお気をつけくださいね」

「ありがとうございます」

実友さんが中腰になり、トレイから香りの良いコーヒーが入ったカップをテーブルに置くと、朗らかな声音で勧めてくれた。

あれ? 実友さんのお腹……パーティーの時よりもほんのちょっぴり、大きくなっているような気がする。

本日の服装のせいでそう見えるのだろうか?
彼女の足元を見れば、他の女性社員たちよりもヒールが低い、安定感のあるパンプスを履いている。

もしかして……女性社員たちの噂は一部だけ正しくて、実友さんは妊娠されてるのかもしれない。

これを女性に聞くのは大変失礼なことだとはわかっているのだが、もしそうであれば、先日駆けつけてもらった上に助けていただいたことを謝らなければいけない。

私は失礼を承知で「あの……」と口にする。

「もし違ったらごめんなさい。もしかして、その……妊娠されていらっしゃいますか?」
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