クールな御曹司と愛され新妻契約
おずおずと尋ねると、実友さんはニッコリと幸せそうに微笑んだ。

「はい。今ちょうど妊娠五ヶ月なんです。まだお腹はそんなに目立っていないんですが」

「わあ、そうだったんですね! おめでとうございます。
それなのにこの間は、駆けつけていただいてしまって……本当に、ありがとうございました。あの、お体に触りはありませんでしたか? 赤ちゃんは……?」

「ふふっ、大丈夫ですよ。一昨日の検診でも元気そのものでしたから」

「ああ、よかったです。ホッとしちゃいました。ご出産予定日が楽しみですね」

人懐っこい笑みを浮かべた実友さんは、「諸事情で婚約指輪や結婚指輪は付けられないのですが」と前置きをすると、「もうすぐ授かり婚をするんです」と声を弾ませる。

「わあ、授かり婚! ご結婚も、おめでとうございます」

「ありがとうございます。実は、彼と別れた後に妊娠が発覚して……。彼の立場のこともあって色々と悩んでいたのですが、先月思い切って告白したんです。そしたら、『何故そんな大事なことを隠していたんだ!』って叱られました」

「そう、なんですね」

こんな時に、気の利いたコメントが出来ない自分が歯がゆい。
私は申し訳なく思いながら彼女に相槌を打つ。
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